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今でも鮮明に覚えています。

これは私が10年前に体験したお話です。

当時小3だった私はバスケを習っていました。

その習い事は夜遅くまでやっていたこともあり、家で寝るときには日付が変わっているなんてこともよくありました。

今思うとほんとよくやってたなと思います。



その日も遅くまで練習が続いていてやっとの思いで終え解散しました。

母が車で迎えに来てくれ、家に着くまでに雑談などをしたりするのですが、

その日はいつも以上に疲れていたということもあり車の中で寝てしまっていました。

目が覚めた時には家の近くまで来ていて長いこと寝てしまっていたことを知りました。

家につき、くたくたになりながらもお風呂へ入り、

髪の毛を乾かして何とか布団にたどり着くことができました。

本当に疲れていたのでしょう、布団に入ってすぐに寝てしまいました。







私は右下腹部の鈍い痛みで目を覚ましました。

時刻は深夜2時、両親も寝ていてどうすることもできなかったので、ただ痛みを我慢するしかないなと思っていました。

しかしいくら経っても痛みは一向にひく気配がなくむしろ目が覚めたことでよけいに痛みが強く感じました。

申し訳ないと思いながらも母を起こして痛みを訴えました。

「右のお腹の下らへんが痛い。寝れへん。」

母は看護師なので大体の症状は何が原因か推測がついたのですが、私の場合は原因不明だったので母も困っていました。

「んー、少し様子見てみよう」母は言いました。

我慢して様子を見ることにしたのですが、その痛みは我慢できないレベルまで到達してしまったのです。

「痛い痛い!!」叫ぶ私を見て心配になった母は父をたたき起こし急遽、夜間の病院に行くことにしました。

道路にはほとんど車は通ってなく初めて見る光景で少し不気味に思ってました。

父が運転をしていて後部座席に母と私が座っていていました。

大きな道に入るため踏み切りの前を右折してちょっと進んだときでした。

私はぐったりしていてひたすら痛みに耐えてました。



すると突然   「きゃー!!!!!」



いきなり母が悲鳴を上げたのです。

何事かと思い前を見て私もびっくりしました。



ちゃんちゃんこってわかりますか?

それを着た見ず知らずのおばあさんが薄暗い道路の真ん中に正座していました。

父はすぐさま横切ってそのまま何事もなかったかのように車を走らせていましたが、

私と母は困惑していました。

「なに!あれなんやったん!?。」

「こわっ」

ですが運転していて一番見えるし横切ったのに父には何も見えなかったらしいです。

しかも後ろを振り返るとほかの車がいたのでおばあさんの顔は見えませんでした。

何度説明しても「見てない」と言っていました。

病院についてみてもらったのですが、結局悪いところは何もなくて痛み止めをもらいその日は帰りました。

帰りは眠くて眠ってしまいあの場所を再確認できませんでした。

次の日になるとあの痛みは噓だったのかと思うくらい異常はありませんでした。

それよりも昨日のおばあさんのことが気になって母に確認してみるとやはり見たといっていてあれは夢ではないと分かりました。

ですが、その日以来その場所を通ってもおばあさんはいませんでした。


それから4年後、

私は中学に入り、女子バスケ部がなかったため陸上部へ入りました。

大会へ自転車で行った時です。

近道をするために大きな道に出ました。

踏み切りを右折して歩道を走っていると、歩道の端っこに花束がおかれてありました。

「あ、ここでだれか亡くなったんや」

そう思い通り過ぎたその瞬間。

4年前のおばあさんを思い出しました。

同じ場所だったんです。

いつも車で移動していたからわからなかったんです。

私の考えすぎなだけかもしれません。

ですが、10年前私と母が見たものは一体何だったのでしょう。